「尿素」

化学品原料

今回は簡単に「尿素」について。「尿」の素とありますけど、実際の排泄される「尿」には2%程度の尿素が含まれています。人体が摂取したたんぱく質(アミノ酸)を分解するとアンモニアが生成するのですが、アンモニアは毒性を有するので、腎臓にて尿素に転換して尿として排泄する仕組みです。ちなみにアンモニアを生成するのは肝臓の役目であります。生体学・生物学の観点だと尿素の位置づけは上述の通りですが、素材・化学の観点から尿素の定義は、石油化学工業協会より引用しますと以下の通り。

尿素(urea)                                             肥料または尿素樹脂原料である。アンモニアと炭酸ガスを原料とする。固体。

まずは言葉の定義にあるようにアンモニアからの製造法について。高圧・高温の条件下でアンモニアと二酸化炭素を反応させて生成します。

アンモニアは空気中の窒素の固定化し、尿素を始めとする化学品生産を行うための方法ですが、尿素は常温で作物生産に必要な窒素を供給する重要な方法です(アンモニアを直接肥料として使用する方法がありますが、尿素の供給法が優れています)。

アンモニア需要のうち半分強が尿素生産に向けられています(尿素の一部:以下パイ図のブルー部分は尿素樹脂やメラミン向け等の化学品むけ)。

一方、尿素の需要面を見て行きます。尿素の世界需要は約2億トンに達する巨大な化学品です。(ほぼほぼアンモニア需要と等量になります。下記パイ図のとおり、4分の3強が肥料としての需要、加えてオレンジ部分の飼料用途があり、約8割強が農業分野向けの需要を占めています。

以下尿素の個別の需要について言及します。最初は主要の肥料向け需要推移になります。今後も人口増に伴う農業生産拡大にともない、肥料需要は増加し続けていくことになります。

二番目はここ20年程で広がってきたディーゼル車のNOX削減のシステムです。一時期ディーゼル車の増加が予測されましたが、現在は頭打ちから縮小傾向になっていますから需要増の見込みは低いと言えましょう。同様のシステムは火力発電所に導入されていますが、発電所の場合は直接アンモニアを投入することで脱硝設備を稼働させています。

一番最後は尿素樹脂です。木材の接着剤を中心に大きな市場を形成しています。別稿にて尿素樹脂については投稿したいと思います。

                                    以上」

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