「アンモニア」

原料

アンモニアは需要先の殆どが肥料用途であることより、化学品のイメージはありませんが、人類にとっては最大で最重要の化学品であることは否定できません。今回はそのアンモニアの概要について述べていくこととします。まずはこちらも石油化学工業協会の言葉の定義にありましたので引用します。

アンモニア(ammonia)                                         硫安等の窒素肥料、アクリロニトリル等の原料である。原油、ナフサ、天然ガス等から得られる水素に窒素を反応させて製造される。気体。

まずは製造方法から。現在の製造法は19世紀に開発されたHarber Bosch法から基本的には変わりません。この製造法の大きな問題点は高温高圧でされることと、大型化により巨額の投資が必要であるという点。本課題解決すべく現在もプロセス開発、触媒開発が行われている段階です。

またプロセスの他の大きな課題として、温暖化排出ガス削減のために原料の水素を如何に確保するかでアンモニアの色分けが下記のとおりされています。現状、原料の水素は天然ガス及び石炭を原料源としていますから、下記作表のブラウンアンモニアとグレイアンモニアで全量を占めているのが現状です。

この点の技術開発が盛んに行われていますが、実際のところはIEAが2017年時点で下記の通り予測しています。2050年以降にグリーンアンモニアの生産が開始されるかもしれないと予想している程度です。

ターコイズ及びブルーアンモニアについては、マヤカシ?方策として認知していません。これが現実です。

つぎはアンモニアの需要面から見て行きます。年間の総量は2024年時点で大台の二億トンを超えました。需要の中心は最初に述べたとおり肥料向けです。半分強が尿素生産に向けられて、その尿素のうち9割が肥料向けに使用されます。

また一割が硝酸生産に向けられますが、その生産された硝酸の8割が肥料原料として使用されています。

トータルで見てみると、約4分の3が肥料用途に向けられていることになります。この点が人類にとっても最重要な化学品であるという事ができます。

また昨今では脱温暖化対策としてアンモニアを火力発電原料として、また動力燃料として使用する動きがあり、この点を最大限に見込んだアンモニアの需要予測は下記の通りになります。

ただこの点では、従来の化石燃料に比べてコストが非常に嵩んでしまうという経済面での大きな問題と、また上述したとおり、グリーンアンモニアの生産が達成されなければ、根本的な課題解決にはならないと言う点が存在するのが現状ですので、シナリオを達成することは非常に困難な状況であることは否定できません。

本稿最後に日本のアンモニア市場の動向について言及します。肥料生産が衰退していること、あわせてアンモニアを原料とする化学品生産の減少もあいまって需要量は年々減少しています。かつては各所に存在したアンモニア生産拠点も閉鎖となっている状況になっています。非常に厳しい状況にあることは否定できません。

                                     以上」

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