「ブタジエン」生産と誘導品

化学品原料

今回は「ブタジエン」について。いつもの通り石油化学工業協会の言葉の定義より。

ブタジエン(butadiene)                                    CH2=CH-CH=CH2 合成ゴム等の原料。 ナフサ分解で副生するBB留分から得られる。気体。

ブタジエンには上述の1,3-Butadieneの他に1,2-Butadieneという異性体が存在しますが経済的価値は全くありませんのでブタジエンと言えば1,3-ブタジエンのことを示します。

まずはブタジエンの生産方法について示します。現状ブタジエンの生産方法は、C4留分からの抽出方法のみが唯一の方法です。C4留分生成量の制限されている状況下で目的生産法が研究、実施されようと試みられていますが、経済優位性が全くないので実施されていません。                            目的生産法としては①ブテン脱水素、②エタノールの二量化~脱水・脱水素、③1,3-ブタンジオールの脱水法などが検討中です。この点については期待したいところです。

さて次にブタジエンの抽出(生産方法)について述べていきます。現在はナフサ分解炉から産出されるC4留分に約4割含まれるブタジエンを溶液抽出法にて抽出されます。以下C4成分構成と、その成分の物性差をしめします。

上述のとおりC4成分の沸点差がごく僅かですから、蒸留装置での分離は経済性がなく困難です。よって経済性の高いブタジエンを抽出するために溶剤にて抽出することが主流でブタジエン生産が行われています。以下№1の製造シェアを持っている日本ゼオン社のHPよりブタジエン抽出のフローを示します。

次にブタジエンの用途についてです。用途面では大きくわけて、ゴムを中心とした高分子材料の誘導品が需要の殆どを占めます。ケミカル原料としての利用はアジポニトリル(ヘキサメチレンジアミン)向けが規模があるものの、残りのケミカル用途向けは全体に占める数量はごく僅かです。今後ブタジエン誘導品については別稿の機会にて紹介していきたいと思います。

最後に需要推移を示します。世界的には以下のとおり今後も3%程度の成長率の見込みですが、先にも述べましたが、成長の抑制要因はC4留分の産出量に伴うブタジエン生産量の制限です。とはいうものの世界レベルでは今後もナフサ分解炉の増設も続くことからブタジエン市場の拡大は続いていきます。

一方、足元の日本では今後分解炉の停止が続くことから、今後もブタジエン生産量の低下は否定することができません。残念ながらC4留分を持ち込んでのブタジエン産業の競争力維持は困難ですので、ブタジエン生産の縮小になっていきます。くわえて今後は日本の主力産業の一つであるタイヤ産業などの縮小が懸念されます。

                                    以上」

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