特殊なポリマーのポリビニルブチラール(PVB)樹脂について述べて行く事とします。特殊なポリマーと言っても世界需要の総量は30万トンを超えます。何といっても最重要ポイントは、PVBが無くなってしまうと現在は自動車生産が不可能になってしまうということです。ニッチな製品ではありますが、非常に経済活動にとって重要なマテリアルという事になります。さて、言葉の定義は世界的なPVB事業者の積水化学の製品HPより引用です。
ポリビニルブチラール(略称:PVB)樹脂は、 ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドから合成される熱可塑性樹脂です。ガラスへの優れた接着性、柔軟性、透明性を持つため、自動車の合わせガラスの中間膜として最もよく知られており、他にも塗料のバインダーやセラミック用接着剤として使用されています。
PVB樹脂の構造、規格は以下の通り。PVOHをベースの構造とし、n-ブチルアルデヒドをアセタール反応させて下記構造式(一番右)にします。なお真ん中のアセチル構造は実際は存在しません。原料のPVOHそのものに残アセチル基が1%以下が一般的な規格だからです。

参考として製造フローを示します。本フローは積水化学社の自動車向け中間膜用のPVB製造特許をベースに簡易化して作成しました。

次に現在分かる範囲でのPVB製造会社の能力一覧です。従来から大手三社が寡占状態だったところに最近は中国において各社が事業参入している状況になっています。
ちなみにEastmanの事業の源流はモンサント社の事業。クラレはDuPont社の事業だったものが各社の事業再編により現在の体制になっています。

さてPVBの市場を見て行く事とします。本投稿の最初に述べましたが、市場構造はガラス中間膜向けが殆どをしめています。そのうち自動車向けが多くを占める構造になっています。
上記中国各社の事業参入は自動車向けを狙ったものと考えられますが、現状は認可の課題があり自動車向け中間膜向けには市場参入できていない模様です。中国社は建築向けに特化して市場参入が始まった段階にある模様です。またPVのバックシート向けにも期待されましたが需要は拡大していないと推定されます。

なお世界市場の推移は以下のとおり。市場は拡大傾向にはありますが、大きな伸びは示していません。理由として考えられる点は、①自動車生産台数はさほど増加していない。②フロントガラス以外の展開が進んでいない。③建築向けが期待されたが採用が進んでいない。などが理由として考えられます。

以下最後に、簡単な合わせガラスと中間膜製造に関する基本的情報について報告します。



以上」
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