「塩化ビニル樹脂」

ポリマー

今回は汎用樹脂の一つの塩化ビニル樹脂について述べていきます。汎用樹脂は当然のことながら市場規模も大きく、又様々な用途用法があり簡単に纏める事が難しいのですが、まずは導入部を今回は言及していきます。いつもの通り石油化学工業協会の言葉の定義より。

塩化ビニル樹脂(vinyl chloride resin)略称PVC                         エチレンと塩素を原料として製造される塩化ビニルモノマーを重合して得られる代表的な熱可塑性樹脂。水道用等の各種パイプ、農業用フィルム、レザー、電線被覆、雨樋、その他各種成形品として広範な用途をもつ。固体。

製造方法は塩化ビニルモノマー(VCM)を重合させて生産を行いますが、重合法のうち最も採用されている方法が懸濁重合法という方法にて行われています。なお現在生産されているPVCの殆どはVCMのみのホモポリマーで、一部酢酸ビニルやアクリル酸エステル等を共重合させるグレードが存在しますがごく僅かです。

ポリマーの特徴を出すには「重合度」がポイントになりますが、生産されている殆どは重合度が1,000前後のものです。一部壁紙用途に使用されるサスペンション用途は2,000~3,000といった高重合度のPVCグレードが存在しています。

なお原料のVCMの殆どはPVC向けですが、VCMの市場環境の変化は中国におけるアセチレン法VCMの存在感が非常に大きくなってきていることがあげられます。但し両法の製品の品質に違いはありません。

つぎにPVCの市場環境を見て行く事とします。以下過去実績と将来のPVC市場の予測です。過去30年程で約2倍の市場となったものの、他の汎用樹脂に比して伸び率は低率と言えましょう。また今後については下段グラフの通り大きく伸びる予測にはなっていません。

過去実績についてはグラフが示す通り、中国市場が略ゼロ市場から世界最大の市場に成長したことが牽引役を演じて来ました。ただしPVCの場合は他の汎用樹脂と異なり、包装材向けなどの使い捨て需要が小さくインフラ部門への需要が大きいことが成長の抑制要因とも言えます。現在の焦点はインド市場なっていることは一致の見解です。

上述した通りPVCの場合は細かいグレード分けは存在しません。その代りにコンパウンディングの手法により大きく「硬質」と「軟質」塩ビ(製品)に分けて使われています。イメージとしては硬質の代表格がパイプや雨どい。軟質の代表格はフイルムやレザーになります。

過去PVCの塩ビ需要は三分の2が硬質、三分の1が軟質です。この傾向は今後も変わりません。参考として日本市場を示しますが、以前はインフラ向け需要が大きな存在でしたが現在は縮小してしまったっために電線被覆向けを中心とした軟質PVCが大きな比率を占める事が特徴になっています。

次に硬質塩ビ製品と軟質塩ビ製品の用途別シェアを示します。上の作表の硬質塩ビは4分の3がインフラや建築関係になります。特に現在インドではインフラ投資ラッシュにあり、大量のPVC/VCMがインドに流入しています(インドにおける生産本格化はまだ数年を要すると予測されています)

以上塩ビ製品の各論については別稿にて報告することとします。

最後に硬質及び軟質塩ビの配合例を示します。他の汎用樹脂と異なる点は、PVC単独での加工製品は殆ど存在しない点です。特に特徴的なのは軟質製品のケースにおける可塑剤の使用です。可塑剤については別稿にて投稿することとします。

                                     以上」

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