「ナイロン6」「カプロラクタム」

ポリマー

今回はナイロン6とカプロラクタムについて述べていきます。ともに石油化学工業協会の言葉の定義からまずは引用します。

カプロラクタム(caprolactam)                                ナイロン繊維、樹脂の原料。シクロヘキサンを原料として製造される。固体。

ナイロン6 略称PA6
ε-カプロラクタムの開環重合体。電気・電子、事務機器、自動車、建材等の部品及び家庭用品等、広範に使用される。工業部品に代表される射出成形用途に加えて、フィルム、モノフィラメントに代表される押出成形用途があり、主として包装資材・雑貨市場に供給されている。

との定義。両者の需要関係は以下のとおりで、つまりカプロラクタムは全量ナイロン6の原料であり、ナイロン6の原料は実質全てがカプロラクタムという関係です。

カプロラクタムからのナイロン6製造フローは以下のとおり。カプロラクタムを水和反応させて開環します。再度脱水反応を行うことで重合させてナイロン6を生成します。理論上の原単位は1.00ですが、製造上のロスが生じますから実行原単位は1.02程度と言われています。

さて、原料側のカプロラクタムの市場動向について言及します。下記カプロラクタムの需給状況についてS&P GlobalがAPIC2025会議にて開示しています。今後は以前ほどの勢いは無いものの、堅調な成長状況で拡大すると予想しています。

堅調な成長が見込まれる一方で、既存のカプロラクタム製造会社にとって深刻な状況を迎えており、欧州や日本の各社が事業撤退に追い込まれる状況になっています。日本においては住友化学が撤退したのに続き、UBEが当初発表よりも事業撤退を早める事を発表し、日本における生産会社は東レのみとなる状況です。この背景には2010年以降、中国各社の事業参入ラッシュがあります。今後ますます中国社が市場支配力を強める傾向はとまりません。(下記グラフはカプロラクタムの需要先のナイロン6市場シェアの時系列シェアを示します)

ひきつづきカプロラクタムの需要先であるナイロン6について述べていきます。ナイロン6の用途別市場推移は以下のとおり(引用先はウッドマッケンジー社資料より)。以下グラフで一番大きな比率はTFでテキスタイルファイバーの事です。

全体のうち約4分の3が繊維向けであり、残り4分の1エンジニアリングプラスチック(成型用・フイルム用)になります。この傾向は今後も大きく変わる事はないとの予測がされています。

つぎに繊維向け及び成形樹脂向けに具体用途例を示すこととします。

まずは繊維向けについて。ナイロン繊維の特徴として耐水性(撥水性)に特徴があることより、レインウェアやスポーツウェア、レジャーウエア、アウトドア用品などに使用されています。また、軍事関連(テント、パラシュート、軍服等)や漁業関連の網や釣り糸用途にも使用されています。

次に成型用の用途例を挙げていくことにします。耐熱性・耐摩耗性などを活かす事で、自動車部品や機械部品などに用途が広がっています。また繊維と同様に耐水性の特徴を活かして食品包装を中心としたフィルム用途が拡大しています。

以上、ナイロン6の概要について述べてきましたが、別稿にて個別につて言及したいと思います。

                                       以上」

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