アセトンとフェノールの共に最大誘導品であるビスフェノールAの用途・用法についての情報です。まずはいつもの通り、石油化学工業協会の言葉の定義より引用。
ビスフェノールA(bisphenol-A)
エポキシ樹脂、ポリカーボネートの原料。アセトンとフェノールを原料とする。固体。
製造方法は以下のとおり。フェノールを2モルとアセトン1モルを反応させます。(なおアセトンの他のケトン化合物を反応させることで様々なビスフェノール化合物を得ることができます。フォルムアルデヒドを反応させることでビスフェノールFが生成します)。反応として面白い点はカチオンイオン交換樹脂を使用する点でしょう。

つぎにBPA需要の概略を示します。需要規模は大きく拡大してきていますが、その牽引役はポリカーボネート樹脂の市場拡大によるところです。BPAの市場は以前からの需要先であるエポキシ樹脂と合わせて九割弱をしめる市場構造が特徴といえましょう。

つづいて需要先の各論に進みます。まずは最大需要先のポリカーボネート樹脂について。いつもの通り石油化学工業協会の定義から引用です。
ポリカーボネート(polycarbonate)略称PC
ビスフェノールAとホスゲンを原料として生産される耐衝撃性、寸法安定性に優れた非結晶性の熱可塑性樹脂。電気機器やカメラ等の部品に使用される。固体。
ポリカーボネート樹脂の特徴は透明性と耐衝撃性。ガラスに置き換わって需要が増加してきたとも言えます。身近な用途は自動車のヘッドランプカバーが代表的です。ガラスに比して軽くて意匠性が特徴と思います。用途例は以下のとおり。

BPAとの関連で言えば、ポリカーボネート樹脂は下記の通りの合成法でBPAの占める比率は製造法の違いに係らず、原単位は0.88を占めます。

続いて、ポリカーボネート樹脂に次ぎ二番目に大きな比率を占めるエポキシ樹脂についてです。こちらも石油化学工業協会の定義からまずは引用します。
エポキシ樹脂(epoxy resin)略称EP
成形品、接着剤、塗料等に使用される熱硬化性樹脂。最も代表的なものはエピクロルヒドリン及びビスフェノールを原料として製造される。固体または液体。
エポキシ樹脂と言えば以前は大半がBPAを使ったBAGDEと言われるエポキシ樹脂のことでしたが、現在は様々なタイプのエポキシ樹脂の需要が大きくなってきておりシェアは低下してきています。欧州などでの食品向け塗装用の使用が忌避されている影響でしょうか?とは言え、エポキシ樹脂と言えば依然「BADGE」である状況は変わりません。

以下エポキシ樹脂のプレポリマー製造フローを以下の通り示します。

最後に、ポリカ及びエポキシ樹脂以外のビスフェノールAの特殊使用例を以下の通り示します。BPAは化合物の原料として殆どが使用されるのですが、ユニークなのは下記作表の一番上の用途です。所謂レジレシートなどの感熱紙に直接使用されていた用途です。感熱色素とBPAが熱で反応して、発色する仕組みを利用したもの。環境ホルモンの問題が提起されたことから代替品に切り替わっています。



以上」


コメント