「パラキシレン」と「テレフタル酸」

芳香族系モノマー

ともに急成長中の化学品基礎原料であるパラキシレンとテレフタル酸について述べていくことにします。両方とも石油化学工業協会に言葉の定義がありましたので引用します。最初の図は基礎化学品におけるパラキシレンとテレフタル酸の位置づけとなります。

パラキシレン(para-xylene)                                  混合キシレンに10~20%含まれており、これを抽出して得る方法と、同じく混合キシレンに含まれるo-キシレン、m-キシレンの異性化によって得る方法がある。テレフタル酸、DMTの原料に使用される。液体。

テレフタル酸(terephthalic acid)略称TPAまたはPTA                         ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)の原料。パラキシレンを原料とする。固体。

両物質の関係は以下の通り。パラキシレンの98%以上はテレフタル酸原料として消費されます。またテレフタル酸も総需要のうち98%以上がポリエチレンテレフタレート(PET)原料として使用されています。つまりパラキシレン需給とテレフタル酸需給は一体化して考えて行く必要があると言えます。

さて、まずはパラキシレン(他キシレン類)とベンゼン、トルエンの芳香族の製造フローを示すとともに、市場全体のマテリアルバランスの簡易図を示します。パラキシレンは化学品の一つなのですが、一方で生産側は石油精製の製品の位置づけにある一面があることが特徴の製品と言えます。

下記は以上の流れを纏めなおし作成した世界の芳香族のマテリアルバランスです。このチェーンは化学品の基礎原料として重要なパラキシレンとベンゼン中心の需給構造が出来上がっています。

つぎにパラキシレンとテレフタル酸の需要推移をしめします。両作表の間には期間差がありますが、ここ過去十数年間、また今後も成長期にある製品と言えましょう。                 更に両者の関係でテレフタル酸の製造工程を示します。さて、パラキシレンを酸化して得られるのがテレフタル酸。パラキシレンのほぼ全量がテレフタル酸向けに消化されることより、パラキシレン量の約1.5倍量がテレフタル酸生産量となります。

テレフタル酸生産は現在、パラキシレンの直接酸化法のみで行われています。近年では中国を中心に大型投資が進み今後しばらくは設備過剰状態は解消される見込みはありません。ただし、一億トンという大台が見えてきた状況でもあり、今後も成長市場とも言えます。

なお、近年は設備の大型化が急速に進んでおり小規模能力の設備は停止に追い込まれる状況です。日本においては、残る一社の東レ社が生産撤退を表明しており、東レ社撤退により全ての生産会社が消滅することとなります。

また、別稿にてテレフタル酸のほぼ全量消化先であるPETについて述べて行く事とします。                                             

                                     以上」

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