「クメン」&「フェノール」

芳香族系モノマー

ベンゼン及びプロピレンの誘導品であるクメンと、その誘導品の大半を占めるフェノールについて述べていくこととします。まずはクメンの石油化学工業協会の言葉の定義から。

キュメン(cumene)                                     フェノールの中間製品であり、プロピレンとベンゼンを反応させて製造する。液体。

クメンの製造方法は下記のとおり。ベンゼンとプロピレンを各1モルづつ反応させてクメン1モルが生成します(スチレン原料のエチルベンゼンの生産方法と同じ理論です)

下記の通りベンゼン需要側から見た場合、ベンゼン需要としてはエチルベンゼンに次ぐ規模の化学品です。

一方クメンの殆どは酸化されてフェノール/アセトンに転換されますが、一部の特殊用途として有機過酸化物やクミンアルデヒド(カレーの匂い)があります。

つぎにクミンの殆どの需要に向けられるフェノールについてです。こちらも石油化学工業協会の定義より引用します。

フェノール(phenol)
石炭酸ともいう。フェノール樹脂、農薬等の原料に使用される。ベンゼンとプロピレンから得られキュメンを原料として製造される。固体。

以下クミン法によるフェノール製造フローについては下記の通り。クミン過酸化物としたのち、熱分解する事で、フェノールとアセトンが副生します。現在はフェノールの生産の殆どがクメン法での生産になっていますが、クメン法の下記作表は古典的フェノール法の合成フローを示します。

つぎは需要側から見ていくこととします。ここ数年の世界の総需要量の推移をしめします。ここ数年はコロナ禍の時期においては一時需要停滞期となりましたが、その後は需要が回復し再度成長期になっています。需要の牽引先は中国の投資によるもので、需要分野はビスフェノールAとその先のポリカーボネート樹脂とエポキシ樹脂が牽引しています。

つぎはフェノールの分野別需要マップを示します。数値を作表にしめしていませんが、フェノール需要のうちビスフェノールAが三分の2と大きな比率を示します。次に約2割がフェノール樹脂。シクロヘキサノン向けが約1割をしめ、残りの5%程度がファインケミカル用途となっています。

このフェノール市場も現在はますます中国における攻勢が強まり、日本も含め各国の事業会社が苦境に陥っており事業再編が起きている分野になっています。

なお、併産のアセトンについては別稿にて述べていくことします。           以上」

コメント

タイトルとURLをコピーしました