無水マレイン酸を原料とする「有機酸」

C4系モノマー

今回のテーマは非常に狭い領域の化学品のお話を投稿します。別稿に投稿しました無水マレイン酸の誘導品のうち三大用途の一つである「有機酸」について言及します。

有機酸とは言っても規模の大きなクエン酸、酢酸は無水マレイン酸を原料にしませんから本稿では取り上げません。今回の対象は「フマル酸」「リンゴ酸」「コハク酸」の三種。なお「酒石酸」も無水マレイン酸法が存在しますが、生産されるその殆どはワイン醸造所に析出した結晶を抽出されたものです。

簡単に無水マレイン酸と有機酸の関係については以下の通りです。無水マレイン酸の総需要のうち約15%前後を占める需要ですので小さい市場では決してありません。

以下4製品を順番にマレイン酸法製造フローと需要マップを示していきます。

一番目はフマル酸から。製造は無水マレイン酸の製造ライン上での生産になります。気体の無水マレイン酸を水で捕集することでマレイン酸水溶液となります。この水溶液を加圧蒸発させることで、無水マレイン酸の生成と同時にフマル酸が生成します。

フマル酸の用途としては半分強が食品の「酸味料」が占めます。マレイン酸と同様に不飽和ポリエステル原料としても多くが消化されます。

次はリンゴ酸について述べていきます。リンゴ酸はマレイン酸に「水」を加える事で生成します。用途は名前の通りで酸味料が中心で、様々な食品や医薬品等に添加されて使われています。

引き続きコハク酸について述べます。製造法は無水マレイン酸を水和してマレイン酸にしたのち、更に水素添加してコハク酸とします。ここ10年ほどでバイオ法によるコハク酸事業進出が各社で進みましたが、目的とした生分解性樹脂市場が拡大せず、事業の不調を耳にします。

なお用途面で日本市場のみの特異な市場が形成されています。下記の誘導品マップの上二件で、一つはコハク酸ソーダ。旨味成分としてインスタント麺の粉末スープに、また醤油や味噌にも添加されています。二つ目は、入力剤の発泡成分用途です。花王社がバブを開発した際にはコハク酸を原料に市場参入しましたが、現在は安価なフマル酸に転換しています。他社はコハク酸を利用しています。入浴文化という日本独自の文化を背景に発展した製品です。

最後は酒石酸について。名前のとおり酒(ワイン)の醸造所に結晶が析出する物質です。無水マレイン酸を原料とする方法も下記の通り存在していますが、推定するに化学原料法だと「雑味」がないので美味しさを出現できないのではないでしょうか?

                                        以上」

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