今回はエラストマーのうち、熱可塑性樹脂の一つである熱可塑性ウレタン樹脂についてのべていきます。エラストマー各種のうちでTPUの位置づけは下記のとおり。TPUの定義は日本ミラクトラン社のHPより引用します。

熱可塑性ポリウレタン(TPU)は、 ゴムのような弾力性と硬質プラスチックの強さを併せ持つ高分子素材です。熱を加えると軟化し、冷却すると固まるため、射出成形などの量産加工が容易です。耐摩耗性や耐油性に優れており、スマートフォンケースや靴底などに広く使用されています。
エラストマーの物性を見分けるうえで、硬度による分類方法がありますが、TPUの位置づけは以下のとおり。硬度の面からみれば軟質塩ビの領域に近いと言えます。下記作表はNexant社の公表された資料を一部変更して表示しています。

さて、TPUは幅広い「硬度」物性の他に、耐摩耗性、耐熱性の特性を活かした用途が展開されています。以下TPUの需要分野と実際の用途例を示します。需要面で大きい分野は「靴」(主に靴底部)分野が最大で、つぎに自動車の内外装の部品に用途展開が広がっています。



ただ、大きく伸びると期待されたTPUもここ数年は若干頭打ちの兆候が見られます。自動車分野で言えば補助的な機能部品に使用されていること、また靴需要は素材転換がほぼ完了して、今後大きく伸びる要因が見られなくなってしまったと言えましょう。

次は生産面・材料面からTPUを見て行く事とします。TPUの基本構造は、ソフトセグメント部分の「ポリオール」とハードセグメントの「ジイソシアネート」から構成されます。両者の組み合わせによりTPUの物性を作り出して市場にあったTPUが供給されています。

TPUの合成方法は下記のとおり。一般的には2段階法が採用されています。一段目でTPU「プレポリマー」を製造します。そのあと二段目で鎖延長剤を使って用途需要に適合したTPUを生産することになります。

最後に原料構成の説明をします。TPUは上述の通り、ポリオールとジイソシアネートから合成していきます。
TPU向けポリオールはポリエステルポリオールが最大の需要を占めます。二番目はポリエーテルポリオール型ですが、こちらは略全量がPTMEGを占めます。その他にはポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトン等が採用されています。(本稿一番下にポリエステルポリオール/PTMEGにつき説明)
また、一方のジイソシアネートの大半はMDIが採用されています。その他には脂肪族ジイソシアネート(IPDI/HMDI)が採用されている状況です。

最後の最後に代表的ポリオール二種類の製造法概要です。


以上」

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