熱硬化性樹脂の一つ、「フェノール樹脂」について述べていきます。フェノール樹脂を含めて熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂と比べるとイメージが一般的にはわいてきません。熱可塑性樹脂は一般的に「成型品」として樹脂の使用方法が目で見えるのに対して、熱硬化性樹脂はフィラーを固めるための接着材の様な用途が殆どです(熱硬化性樹脂でもシリコン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂は成形品そのものです)。また別稿にて熱硬化性樹脂全般について投稿したいと思います。
さて何時ものとおり、石油化学工業協会の言葉の定義を引用します。
フェノール樹脂(phenolic resin)略称PF 絶縁プリント配線基板、印刷回路基板等の積層板、工業部品及び食卓用品用成形材料、合板用接着剤、絶縁ワニス等に使用される。フェノールとホルマリンを原料とする。別名ベークライトともいう。固体。
まずはフェノール樹脂の使用される具体例を示します。需要の半分強は、木材接着剤になります。合成板や集合材など木粉を固める・接着させる為の接着剤としての用途です。製造された合板・集合材は家具や壁材等に使用されています。その他では電子基板、自動車ブレーキパッドにも使用されています。フェノール樹脂そのものが成形材として使用される例としては断熱材用途が唯一でしょうか?



さて、フェノール樹脂の需要規模について原料のフェノールとホルマリンから算出してみました。フェノール樹脂の総量は各機関における推定値が出てきていますが、算出の背景が不明確なので出展元により大きく異なってしまっているので、私的ベースで算出することとしました。

ベースとなる数値は以下のとおり。フェノール需要の30%をフェノール樹脂向けとして、またホルマリン需要の17%をフェノール樹脂向けとしています。因みに参考数値としてレゾール型はモル比でフェノール:ホルマリンは1.0:1.2~2.0(重量比だと3:1)、ノボラック型だと1.0:0.85(重量比だと4:1)程度になります。
概算ではありますが、2025年時点で世界のフェノール樹脂需要は約900万トン前後と推定されます。


上述したとおりフェノール樹脂は様々な用途に使用されていますが、二つのタイプに分かれます。下記パイ図のとおり、ノボラック型とレゾール型で市場が二分されています。市場の半分強を占める木材接着剤はレゾール型が使用されています。(硬化剤は使用せず、加熱することで縮合反応がおこり、接着機能を発現します)
ノボラック型は耐熱性を有することより、機能型商品に使用されるフェノール樹脂と言えましょう。本稿の対象にはなりませんが、フォトレジストのg/i線用の樹脂もノボラック樹脂が使用されています(液晶ディスプレイのTFT製造、CMOS半導体の銅バルク、パワー半導体回路など)。




以上」

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