アセチレン

化学品原料

現在の日本においては溶接用のガス程度しか用途の無くなってしまったアセチレンは石油化学産業が勃興する第二次世界大戦前までは世界中で有機化学産業の有力な原料でした。

ちなみに現在の日本での大型の化学品用途はデンカ社のアセチレンブラックとクロロプレン生産にアセチレンを原料としています。また2020年までは出光BASF社において1,4-ブタンジオールを生産していましたけど生産停止に至ってます。40年50年ほど前までは日本でもカーバイト工業が残っており、社名で残っている日本カーバイドが塩ビをカーバイド法で実施。また酢ビ事業の残渣として炭酸カルシウムの埋め立て地も残っています。

さて、アセチレンですがエチレンと同じで炭素数がニ個の炭化水素ですが、三重結合と二重結合の違いがあります。この三重結合が激しい反応を呼び起こすわけなんです。以下アセチレン・エチレン・エタンの比較表を作ってみました。燃焼カロリー付け加えればよっかたですね。

つぎにアセチレンの生産方法から。カーバイド法が8割強をしめている状況です。またその殆どが中国で実施されています。背景としては豊富な石灰岩と石炭の資源を背景にした産業振興政策があります。また当然のことながら需要も控えています。カーバイド法の一番の欠点は大量に発生する炭酸カルシウムの処理にあります。

一方で需要は以下のとおり。2025年現在、約1200万トンの世界需要が存在し、半分が溶接ガス。残り半分が化学品原料用途になっています。

以上アセチレン需給のサプライチェーンは纏めると以下の通りです。

以上、過去も今後も中国が需給の9割以上を占有しているアセチレン市場ですので、日本を含めてた他の地域で需給の変化があるかと問われても全く設備投資が生じる事はないと言い切れます。なお以下に述べる化学品については需給関係に大きな影響を与えることが考えられます。以下アセチレン法生産フローを示します。

塩ビの場合は実質中国のみでアセチレン法による生産が行われています。全世界の生産量のうち約四分の1がアセチレン法による生産です。塩ビ需要が急速に伸びているインドで生産が行われる事は否定できません。

残りはブタンジオール、クロロプレン、酢酸ビニルの3件です。ブタンジオールは今もってアセチレン法が主力製法です。クロロプレンはデンカ青海のみの生産です。酢酸ビニルは中国のみでの実施です。

以上」

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