本稿では「アラミド繊維」を取り上げます。繊維と言っても衣料用には全く使用されない製品身の回りには殆ど目にすることはありません。あえて事例をあげるなら、消防用の防火服の生地に使用されていますが、繊維の上からオレンジ色のコートがされているので繊維そのものを直接目にする事がありません。まずは最初にアラミド繊維とは?ですが、世界の二大メーカーの一つの帝人のHPから引用します。

聞きなれない「アラミド」とは何かからですが、以下のアラミド繊維の原料と化学構造が由来です。一言で言ってしまうと「ナイロン」(ポリアミド)の一種なのですが、身近にあるナイロンとは全く性質の異なる製品です。

市場規模は以下のとおり。大きく伸びると言われてますが、予測された規模には及ばず。炭素繊維も同様に高機能繊維の一つとされていましたが、双方ともコストと機能のバランスかとれないことが成長抑制要因となってしまってます。
なお、炭素繊維は航空機用途での市場開拓が進む一方で期待された自動車向けは低調に終わっています。しかしながらここ数年では風力発電のブレード強化材用途が開拓されて需要が急伸している状況です。

さてアラミド繊維には大きく分けて構造面からメタ系、パラ系の二種類に分けられます。

需要面ではパラ系が約3分の2、メタ系が約3分の1を占めている状況です。まずはパラ系アラミド繊維の市場から見て行きます。下記の通り多くは構造物・繊維の強化材として使用されています。最近では光ファイバー(特に海底ケーブル)の被覆材の強化用の需要の増大が目覚ましい状況です。



次にメタ系アラミド繊維について。メタ系では防護服(消防、警察など)や、日用大工用(?)手袋など身近な製品の採用が目立ちます。



最後に、このアラミド繊維の市場において2025年8月に大きな動きが起こりました。最大手で市場の過半を支配していたDuPont社がArclin社に事業売却を行い事業から撤退しました。このことは市場の将来性を暗示しているものとも考えられます。
以上


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