「天然ガス」市場

燃料

本稿ではエネルギー源として非常に重要な位置をしめる天然ガスについて述べて行く事にします。天然ガスは下記定義のとおり「メタン」を主成分とする炭化水素であり、一番身近なところでは家庭用の「都市ガス」成分です(都市ガスが整備されていない地域は一般的にはLPGが使用されています)

用途の殆どは燃焼させて熱エネルギーを得るために使用されていますが、一部(6~7%)はメタノールやアンモニアを代表とする化学品原料として使用されています。

世界の需要量は以下のとおり。ガスなので一般的な取引量は容量で公開されています。ここでは立法メートルでの需要量を先に示します(なお、世界最大のアメリカの発表は立法フィートで行われるので全く感覚的に把握できません)。

著者である当人は化学会社での経歴なので重量換算にしないと全く感覚的に把握できませんから、下記グラフに重量換算した数値をグラフ化しています。換算数値は1㎥あたり1.395トンという数値を使用しています。

さて、次に最初にのべたエネルギー源として重要な天然ガスということで、世界のエネルギー源に占める天然ガスの位置づけについての作表になります。

こちらは資源によって重量あたりのカロリー量が全く異なるので、カロリー別シェアで示しています。2025年の時点では丁度4分の1を占めるのが天然ガスのエネルギー市場でのシェアになっています。再生可能エネルギーへの転換を進めるという話になっていますが、依然、石油・石炭と天然ガスで8割を占めており、重要な位置づけになっています。

なお今後の天然ガスの需要見込みは下記のとおり。脱化石燃料の方針が言われていますが、今後も天然ガス需要は伸びる見込みとなっており、25年後の2050年では現在の1.5倍量の需要が見込まれています。一方、石油と石炭については既にピークアウトしたとされており今後の需要減が見込まれています。

さて日本においても約7000万トンの液化天然ガスが輸入されてエネルギー供給を支えています。日本の場合は新潟沖と千葉県にて天然ガスが産出されますが、需要の略全量は液化天然ガスとして輸入されています。また欧州においてもウクライナ紛争の発生によりロシアからのパイプラインでの輸送が停止されたため米国からのLNGの形でのガス輸入が増大しています。

まずは液化天然ガスの言葉の定義と、世界の天然ガスの輸送形態比率についてのべます。液化天然ガスは天然ガスを低温加圧により「液化」したものです。

LNGに関する液化・輸送・再ガス化の技術開発は日本企業が行ってきたものであり、発展してきました。現在では世界中にLNG利用のネットワークが広がり、天然ガス需要の14%までLNG比率が高まってます。今後も現在の4億トン超の市場規模から10年後には約1.5倍(天然ガス市場全体は1.2~1.3倍)に急成長が見込まれています。

さて最後に天然ガスの需要(用途)についての三例を示します。

一点目は火力発電所。日本における高効率火力発電所の事例をあげます。大型発電所の100万㎾のケースです。

二例目は日本のケースにおける都市ガスの事例です。メタンのみの成分だと十分な熱量が得られないので、熱量アップのためにプロパン、エタンが混合されて家庭に配給されています。*13Aと言う規格になります。

最後にエネルギー用途以外(原料)の天然ガスの用途です。主な生産物は「メタノール」と「アンモニア」になります。メタノールはメタンを改質して一酸化炭素と水素を得てメタノール生産を行います。またアンモニアはメタンから原料の水素を得る事と、アンモニア合成のための燃料としてメタンを利用します。その他にはFT法による液体燃料の合成、青酸の直接合成法の原料として天然ガス(メタン)が利用されています。

                                          以上」

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