無水フタル酸について述べていくこととします。今回も石油化学工業協会のHPの言葉定義よりまずは引用します。
無水フタル酸(phthalic anhydride) アルキド樹脂、可塑剤の原料。ナフタリンまたはキシレン中に含まれるオルソキシレンを原料として製造される。固体。
言葉の定義より原料はナフタレンとオルソキシレンの二つがあり両原料の製法とも殆ど同条件にて製造されています。ナフタレンの需要先の位置づけで無水フタル酸向けは約半分程度。一方オルソキシレンの需要先の全部が無水フタル酸向けに消費されています。両原料による製造条件は以下のとおりです。

つぎに無水フタル酸の需要側を見ていくこととします。需要先として半分強は無水フタル酸とものアルコールの反応物である「フタレート」が占めます。所謂、フタル酸系可塑剤で代表例はDOP(ジオクチルフタレート)です。 その他には不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂が大きな比率を占めて、残りはフタロシアニン等のファインケミカル製品の原料として使用されています。

つづいて上述の三分野について少し詳細を述べて行きます。
まずは「フタレート」(フタル酸系可塑剤)について。まずは代表例のDOPについて。無水フタル酸1モルと2-エチルヘキサノールを2モル反応させて得られる化合物です。代表的な可塑剤ですが欧州における環境ホルモン問題の対象物質となり需要が伸び悩みから減少傾向にありますが、当初予測されたよりも減少率は低い状況になっています。代替品としてジオクチルテレフタレートが大きなシェアを確保する状況になっています。

以下世界の可塑剤のタイプ別の状況を示します。上記図は世界と日本のタイプ別可塑剤市場を示します。また下記図はフタレート型可塑剤市場を示します。DOPは現在も主流の可塑剤の位置づけであり、理由はコスト面、それと可塑剤としての使いやすさがあるといわれています。


ひきつづき、無水フタル酸を原料として使用するアルキド樹脂と不飽和ポリエステル樹脂について。こちらも石油化学工業協会に両方とも言葉の定義がありましたので引用と両樹脂の製造フローを示します。
不飽和ポリエステル樹脂(unsaturated polyester resin) 略称UP
プロピレングリコールあるいはその他のグリコール類と有機酸及びスチレンモノマーを原料として製造される。化粧板、建材、浴槽等に使用される。固体。

つぎにアルキド樹脂。 アルキド樹脂(alkyd resin) 合成樹脂塗料または接着剤として使用される。多価アルコール(グリセリン等)と有機酸(フタール酸等)を原料として製造される。液体または固体。

以上無水フタル酸について述べて行きましたが、需要構造からみて今後も大きく伸びる事はないものの、堅調に拡大していく製品と推察します。述べました各製品の市場については追って述べて行くことといたします。
以上」


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