「クレゾール」

化学品原料

特殊な種類の領域の「クレゾール」について。化学構造はフェノールにメチル基が一つ付いた化学品です。いつもの通り石油化学工業協会の言葉の定義より。

クレゾール(cresol)                                     フェノール樹脂原料、農薬、可塑剤、消毒用等に使用される。従来はコールタールから得られていたが、現在はトルエンとプロピレンを原料とする製法が主流となっている。

なおメチル基の位置により三種類の異性体が存在します。以下、オルソ体・メタ体・パラ体です。

石油化学法による合成法が完成するまでは、コールタールからの抽出法が中心でしたが、現在では殆どが合成法によります。オルソ体はフェノールのメタノールによるアルキル化で生産される2,6-キシレノールの併産法による生産が中心です。またパラ体とメタ体については、トルエンのプロピレンによるアルキル化で生産シメン法が生産の中心です。

シメン法については二ページに分けてフローを紹介します。トルエンのアルキル化で生成するシメンはパラ体とメタ体の混合物です。その後、酸化工程をへて混合クレゾールが生成しますが、両者をクレゾールの形で分離できません。

二異性体を分離するために、混合クレゾールをイソブチレンでアルキル化し、この二つの異性体を蒸留分離してパラ体とメタ体に分離します。分離された成分から脱アルキル(脱イソブチル)するとパラ体、メタ体のそれぞれのクレゾールを入手できます。なお、パラクレゾールの主用途である「2,6-di-tert-butyl-p-cresol」は脱アルキルを行うことなく、精製処理を行うことでBHT(酸化防止剤)とされます。

最後にそれぞれのクレゾールの三異性体ごとの誘導品マップを紹介します。どの誘導品も数量規模はニッチな市場を有していますが、詳細な市場情報は不明です。                             その中でも比較的規模を有しているのは①オルソクレゾール:ノボラック型エポキシ樹脂(半導体の封止材)、②メタクレゾール:酸化防止剤、③パラクレゾール:酸化防止剤(BHT)、④メタ体・パラ体:ビタミンEなどです。これら誘導品は以前は比較的日本勢が強みを持つ領域でしたが、現在は中国勢が優位な状況になってしまってます。

                                    以上」

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