「乳酸」

バイオ

化学合成法もありますが、メインの生産法がバイオ法である化学品の一つである乳酸について述べて行く事にします。バルク製品において、バイオ法生産が様々な製品で試みられてはいますが、実質的にバイオ法が優位な製品は「エタノール」もしくは「乳酸」位しか存在しません。まずは乳酸の定義より。

乳酸には上記で示す通り、光学異性体が存在します。

さて乳酸の製造法はバイオ法が優位にあります。乳酸菌による発酵法で生産されますが、以下生産(発酵)フローと、トウモロコシを原料にした際のマテリアルバランスを示します。

また一方でアセトアルデヒドと青酸を出発原料とする合成法による乳酸生産も同時に行われています。用途面で合成法でないと品質確保が出来ない分野が存在する為です(半導体関連の溶剤用途等)。

ラクトニトリルまでは共通していますが、その後の工程で工業用・電子用グレードの乳酸を得る方法は様々な工程法が存在しています。

さて乳酸の誘導品および需要先は以下の通りです。古典的用途としては乳酸を直接利用する食品添加剤の用途であり、酸味料の用途になります。昨今(とは言え20年以上経過)ではポリ乳酸用途が需要を牽引してきており、最大用途になりました。

以下乳酸全体の需要推移とそのうちのポリ乳酸向け用途の需要推移になります。既存需要分野は低成長分野でありますが、ポリ乳酸分野は成長分野との位置づけです。ただし、当初の見込みに比べてポリ乳酸用途は低成長に留まっています。

脱炭素の流れに沿って中国ではポリ乳酸の設備投資計画が発表されましたが、殆ど実行されていません。大きな理由としては①ポリ乳酸が合成法のプラスチックに比べて高価であること、②乳酸価格>ポリ乳酸価格という点(つまりポリ乳酸に加工することで付加価値が失われてしまう)、③生分解性ニーズが低いなどが考えられます。

最後に乳酸の最大用途である食品用酸味料について言及します。各種酸味料が存在する中で乳酸の特徴としてはコク味が強いこと、静菌作用が強いことがあげられます。

                                        以上」

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