本稿ではメタクリル酸メチル(MMA)について述べて行く事にします。すでに別稿にてMMAの製造方法について詳細を投稿しましたので、本稿では需要・市場の側の観点の記事といたします。まずはMMAの定義について石油化学工業の言葉の定義より引用します。
メチルメタクリレート(methyl methacrylate)略称MMA MMA樹脂の原料。メタクリル酸メチルあるいはMMAモノマーともいう。製法的には従来アセトンシアンヒドリン(ACH)法が主体であったが、シアン化水素不足から、最近はイソブチレンまたはこれを含むC4留分の直接酸化による製法が主流となっている。液体。
製法についても若干簡単に。大きく分けて3種類。一番古いアセトンシアンヒドリン法は現在も能力別シェアでは7割弱。最近では中国による新設・増産は殆どがACH法です。一方で日本の各社が技術を抑えているイソブチレン酸化法、それとBASF/三菱ケミカルの寡占状態であったRohemが最近米国で大型プラントを本格稼働化したエチレン法の三法。どの製法もメリット・デメリットあり甲乙つけ難いのが実際のところです。


次に需要面を述べていきます。何時の時代の市場を見ても、MMA市場の三分の2はPMMA需要。その次にコーティング樹脂需要、残りその他に分類されます。いずれも用途、形状は異なりますが、ポリマー原料として使用されているのがMMAの需要先です。
なお、世界の需給状況ですが、今後大きく市場は拡大していくと予想されていたMMA需要ですが、ここ10年程は水平状態で頭打ちの状況です。一方需要の拡大を見込んで中国中心にして設備の大型投資がなされており、年々需給ギャップが拡大しています。


以下MMAの誘導品の大きな分野について簡単に述べていきます。述べる分野は「メタクリル樹脂」「塗料」それと「MBS樹脂」についてです。
最初に言及するのはメタクリル樹脂。MMAの需要の約3分の2を占める最大分野であり、MMA事業を継続するにはひも付きの事業と言えます。ただしこのPMMA市場が拡大しないがためにMMAの需要の抑制要因とも言えます。理由としては毎年大きく伸長しているポリオレフィンと異なり、使い捨て用途が殆ど存在しないことが考えられます。





次に約2割の需要量を占める「塗料」分野についてです。全塗料に使用される塗料用樹脂のうち最大量を占めるのがアクリル樹脂になります。


アクリル塗料は溶剤、添加剤も含めると全体の量は16~17百万トン程度にも及び大規模な製品です。ただし、中心である水系、油性塗料の半分は溶剤(水及び有機溶剤)でえあり、樹脂成分としては2~4割程度に過ぎません。
また樹脂組成はアクリル樹脂といっても「アクリル」モノマーの中心はMMA/MMA系ではなくアクリル酸エステルが中心です。なおUV硬化樹脂の中心であるアクリル系原料では「メタ」アクリル系需要は殆ど使用されません。


最後に需要先としてMBS樹脂(MMA/ブタジエン/スチレン共重合)について。MBS樹脂の用途の殆どが塩ビ樹脂の強化材として使用されています。なお、各モノマーを同時に使用して重合するのではなく、MMA/スチレン樹脂(MS樹脂)にポリブタジエンをグラフト重合させたものが使用されています。
このMBS樹脂市場は日本のカネカ社が世界市場をリードし生産も販売も世界展開しています。


以上」


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