「炭素繊維」市場

加工品

今後の市場の伸びが期待されている炭素繊維市場についての概要を述べていくことにします。まずは炭素繊維の定義について炭素繊維協会より引用します。以前は炭素繊維協会として独立した協会でしたが、現在は化学繊維工業会の一部門として運営されています。

定義にあるとおり、炭素繊維は原料から大きく二種類に分けられており、製造方法及び用途が大きく異なっています(製造方法については別稿にて投稿いたします)。

炭素繊維の用途は以下のとおり。繊維と名乗っていますが、一般的な繊維と異なり、工業用途のみの使用になります。飛行機胴体部のような巨大な部品用途はありますが、殆どの用途は小型の部品、製品の使用になっています。

炭素繊維の世界市場は以下の通り推移してきました。過去何十年にもわたり10万トンの壁を超えることなく需要は低迷してきましたが、2019年度に初めて10万トンを超える需要規模となりました。

また2024年、2025年と非常に大きく市場が拡大しましたが、理由は一つ。風力発電向けの需要が急拡大していることにあります。

年度別の個別需要を見ると、風力発電向け需要の急拡大が明快です。取り分け2024/2025の7万トン増のうち、6万トンが風力発電向け需要によるものです(なお、その需要の殆どが中国發の需要増となります)。

以下大きな需要分野4件を見て行く事とします。

まずは風力発電向けについて。風力発電向けはブレードのスパーと呼ばれる強化材にテープ状の炭素繊維製品が使用されています。風力発電の大型化により、従来はGFRPが使われていましたが、軽量化及び、高剛性が求められる事によりCFRP製の急増となっています。

次に航空・宇宙分野について。以前より着目されてきたのはボーイングとエアバスの商用航空機分野です。但し両社とも生産能力の制限となり増産があまり望めない状況です。一部中国の航空機生産が始まっていますが、国際的運航の認可がされていないので、販売が一部の地域に限定されています。

最近ではドローン市場の活発化により炭素繊維の市場が拡大がみられますが、全体を引っ張るほどの牽引役にはなりえてません。

次にスポーツ・レジャー分野です。この分野が炭素繊維市場の最初の開拓先とも言えます。品質・規格管理は事実上は飛行機向け並みに問われる分野です。スポーツ・レジャー用品はOEMのブランド力が問われる分野であり、日本勢が強みを得ている分野です。

最後に期待されていた自動車分野です。自動車会社からの軽量化ニーズは依然強いものの、コスト減、製造加工速度等の課題が大きい為に、一部の「超」高級車のみの採用に留まっています。依然自動車分野への採用拡大を期待する声は大きいもののその障壁は高い事は否定できません。

                                    以上」

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