半導体市場が非常に高い成長率を示している状況において、半導体製造で必須の基板の殆どで使用されているシリコンウェハについ述べて行く事とします。まずはシリコンウェハの定義から。

何も処理していないウェハをbare waferと称しますが、上記画像のように金属シリコンのみの薄い板になります。上記右画像は、シリコンウェハ上に回路を配線処理したあとの状態を示します。
近年はAIブームを背景に半導体市場は隆盛を極めており毎年二けた成長を果たしています。2025年度は約8,000億ドルの売り上げとなっており、それに伴い半導体製造装置市場、材料市場も年々拡大を示しています。

半導体材料市場は2025年に732億ドルの規模に達し、そのうちシリコンウェハは約2割を占める最大の半導体材料であり、半導体製造には必須の材料の位置づけです。
ただし、シリコンウェハの市場を見てみると、数量(面積)としては頭打ちの状況です。理由としては一重に半導体の高密度、高性能化にともなう小型化が起こりシリコンウェハの数量が一方的に増加する状況にもありません。また中国メーカーの半導体用市場参入により単価が下がっている要因として推定されます。


以前は主要五社による市場寡占状態にありましたが、ここ数年で中国における半導体生産の興隆により半導体ウェハの自国生産化が始まり、15%近くまでシェアを確保していると推定されます。但し現時点では後述します原料の多結晶シリコンの生産化は実現されておらず、既存会社より購入しているものと推察されます。
また技術ノードも最先端半導体生産には適しておらずレガシーモードの半導体生産のみに使用されている段階と推定されます。

つぎに半導体用シリコンウェハ生産について述べて行く事にします。この本稿においては、①原料多結晶シリコン製造、②単結晶製造、③ウェハ製造に分けて述べて行く事にします。
まずは原料である多結晶シリコンの製造についてです。多結晶シリコンは金属シリコンを原料としてポリシリコンを製造していきます。太陽電池用シリコンと同じ工程なのですが、半導体用の多結晶シリコンに求められる純度11Nの要求度への製造方法と太陽電池向けとの違いはノウハウとされ公開されていません。




ここで多結晶、単結晶の構造の違いについて。太陽電池用は単結晶がメインですが、多結晶シリコンでも製造する事ができます。ただし、半導体用は単結晶のみしか半導体を作る事はできません。

次の工程は多結晶シリコンを原料に、単結晶のシリコンを製造していきます。ここでの製造法は下記の通り、チョクラルスキー法が採用されます。多結晶シリコンを粉砕し、高熱で溶解します。そこに単結晶シリコンシード(種:棒状)を核にして結晶を成長させていきます。この種は最後には引き上げられてシリコンウェハの材料としては残りません。
また別稿にてこの段で使用する「るつぼ」「カーボン材」については機会を得て述べる事とします。



最後の製造段階は、上段で製造された単結晶シリコン(インゴット)からウェハ製造に至る工程に就て述べて行きます。工程はインゴットをスライスし、初期の研磨、化学処理、再度研磨、洗浄を経て市リンコンウェハとして仕上がります。
この工程にも数々の会社、技術が関与していますが別の機会にて述べて行く事にします。シリコンウェハ事業を日本の会社がリードしていることもあり、この工程に関与する日本の材料および会社が多数存在し、産業を支えています。

以上」


コメント