なかなか一般的には耳にする事のない製品名ですが、一方で化学業界に在籍していると聞いた事のある単語が並んだ製品名。じゃあ何なのと問われても製品に係る担当者じゃないと説明できる製品ではないのではないでしょうか?製品・言葉の定義は世界最大手のダウ(ジャパン)より引用します。
ポリオレフィンエラストマー(POE)は、 プラスチックの加工しやすさとゴムのやわらかさをあわせ持つ、優れた合成樹脂(熱可塑性エラストマー)です。車や日用品の部品、フィルム、電線のカバーなどに広く使われています。
使用方法のイメージは以下のとおり。硬質のプラスチックにPOEを2から4割程度配合することで、軟質のプラスチックが得られることになります。用途は自動車の内外装の部品や靴や医療品の一部に使用されます。パイグラフのとおり、身近な製品に使用されています。


化学構造式は以下のとおり。原料はエチレンが主で、ソフトセグメントの原料にαオレフィンを使用しますが、使用されるαオレフィンの殆どはオクテンが使用されています。

製造法は以下のとおり。バッチ式で現在はメタロセン触媒にて重合されているのがメインの製法になります。ほかのエラストマーと異なり、ブロック共重合体ではありません。

次に世界需要推移をみていきます。青棒が実績で、低成長ながら年々需要は拡大傾向にあります。一方オレンジ棒グラフは2020年時点で中国の証券会社が想定した需要推移ですが、大きく乖離しています。この需要増見込みに対して中国の会社の参入ラッシュが生じていますが、需要実績から見ると殆ど稼働していないことが推定されます。

既存の会社の生産能力は下記の通り。需要150万トン弱に対して、230万トンの能力ですから、バッチ生産方式の製品のケースであれば然程乖離した数値とは言えません(略略妥当な能力数値です) なお、ダウ、エクソンモービルと言った巨大化学会社がニッチな製品のリーダーである点が興味をそそられる点でもあります。

一方大きな需要増を見込んだ中国の会社の参入計画です。出典先は分からなくなってしまいましたが、中国の証券会社の公開資料からのコピーです。
この参入ラッシュの背景は、太陽電池セルの封止材市場の拡大です。既存のEVA樹脂に替わってPOEが封止材として拡大を見込んだ設備投資計画です。
結果として太陽電池向け市場は殆ど伸びていないのですが、理由としては①太陽電池側にニーズが無かった、②そもそもPOE技術が無いのかもしれませんし、③POE原料のオクテン(ヘキセンも)製造供給できる中国の会社が存在しません。と言った理由が考えられます。これも投資バブルと言っていいでしょう。

以上」


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