「1,4-ブタンジオール」の製造法

ポリマー原料

以前はニッチな化学品でしたが、ここ10年20年で市場が急拡大した1,4-ブタンジオール。この製品の市場が広がるに従い、各社による製造法開発が進み投資も進みました。とくに中国において乱増が著しく世界需要が300万トン強に対して、世界全体で約700万トンもの生産能力となっています。特に中国だけで約600万トンの能力の状況で、明らかに生産過剰状態です。

中国での設備増強は略殆どがアセチレンを出発原料としたレッペ法を採用しており、このレッペ法採用の背景は塩ビと同様に豊かな石灰岩と石炭資源を背景とした産業政策存在があります。

以下製法別の能力(2025年末)シェアを下記の通り示します。以前は半分程度であったレッペ法が中国での増設により約3分の4程までに拡大しています(なお実生産は又別ですが把握できていません)。

以下順に製造フローを示します。一番目のレッペ法は伝統ある製造法で、課題はアセチレンの確保次第で競争力が確保されると推定されます。中国では安価で豊富なアセチレンが確保できますが、先進国地域では逆に困難な状況にあるとも言えます。

二番目は所謂マレイン酸法です。この製法の課題はマレイン酸の確保です。製造コスト競争力は有していると推察されますが、課題は無水マレイン酸の大規模化が限界にありBDOの大規模化の制限要因となると考えられます。

三番目はアリルアルコール法で、クラレ社が技術開発を行いましたが、クラレ社は事業参入を行っていません。課題としては併産品の処理方法にあると考えられます。

四番目は三菱ケミカル(旧三菱化学)が開発したブタジエン法です。理論的にはポリ酢酸ビニルを鹸化してポリビニルアルコールに転換する方法と同じです。やはりこの製法の課題はブタジエンの確保です。

最後に各製品が行っているのと同様にブタンジオールもバイオ化が検討され続けていましたが、この製品については実施段階にはいり事業化されつつあります。特に下段の発酵法ではないフラン製造からTHF(ブタンジオールには戻さずTHFを直接使用)製造の大型化が実行段階入り期待されています。

                                         以上」

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