アクリル酸について述べて行きます。いつものとおり石油化学工業協会の定義を引用しようと思ったら定義なかったので、アクリル酸事業会社の三菱ケミカルの製品HPから引用します。
アクリル酸は プロピレンを原料として直接酸化して製造されます。各種エステルの原料、高吸水性樹脂(SAP)、分散剤、凝集剤、増粘剤、粘接着剤等の原料として使用されています。
定義にあるとおりプロピレンを酸化させて製造しますから、まずはプロピレン需要の位置づけから。

次にアクリル酸のプロピレン酸化法を示します。別稿にてアクリル酸の製法の様々なフローを示すことにしますが、現状商業ベースで行われているアクリル酸製造方法は本法の2段階酸化法のみとなっています。第一段でプロピレンを酸化してアクロレインとし、第二段で更に酸化反応を行ってアクリル酸を生成させます(同様な製法としてメタクリル酸メチルのイソブチレン酸化法があります)。今後もアクリル酸製造方法は基本的にこの製造方法で生産され続けることでしょう。

次にアクリル酸の世界需要推移を示します(引用先は日本触媒社の決算説明資料)。コロナ禍前まではアクリル酸市場の急速な成長が見込まれ、生産設備の投資ラッシュが生じましたが、現在はアクリル酸市場の成長率が低成長期に入ってしまったことで各社低稼働率に悩まされている状況と推察されます。

さて、アクリル酸がどの様な市場向けに向けられているのかを下記の通り示します。単独で一番大きな需要先は高吸水性樹脂(SAP)市場が約3割を占める状況です。次に大きな市場はアクリル塗料用の樹脂向け、つづいて接着剤(粘着剤)市場向けになっています。その他にも様々な分野向けに使用されているのがアクリル酸市場です。

つぎに上記の市場分野向けではなく、形状別のアクリル酸市場について述べて行きます。アクリル酸はアクリル酸単独での使用用途は存在せず、下記のパイ図のとおり、6割はアクリル酸エステル(アクリル酸とアルコールの反応物)に転換されて、上述の各分野(塗料や接着剤など)に使用されます。またSAPの場合は、約三割を占めますが、アクリル酸を原料にポリアクリル酸を製造し、更にポリアクリル酸NaとしてSAP原料として使用されています(水処理ポリマーも同様の使用方法)。

最後にアクリル酸形状別需要の最大需要先であるアクリル酸エステル市場について簡単に。以下アクリル酸エステルの「用途別」と「タイプ別」市場についての資料になります。用途別では圧倒的に塗料原料と接着剤(粘着剤)向けが大きな比率を占めます。またタイプ別では「アクリル酸ブチル」が7割を占め、他には2-エチルヘキシル、エチル、メチルで市場の殆どを占めますが、ニッチ市場としてUV硬化型用モノマーが重要な位置をしめています。

以上」

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