本稿では酢酸の製造法について個別に述べていきます。なお、現在約2000万トンの世界市場規模を誇りますが、そのうち生産される(リサイクル品を除く)酢酸のうち、95%がメタノール酸化法による生産になります。
まずは別稿でも述べましたが酢酸市場の概要から。


つぎに本稿の本題の酢酸製造方法について述べていくことにします。最初に製造法の一覧を示します。最初に述べたとおり、以前より様々な原料を利用した合成法が採用されましたが、現時点では殆どがメタノールの酸化法による生産が行われています。合成法のうち実施されているのはアセトアルデヒド酸化法が行われています。

以下各製法の製造条件(温度・圧力・触媒)の各論です。
アセトアルデヒド酸化法は継続中ですが、ブタン(一部ナフサ)を原料とする生産が以前は盛んに行われていましたが、現在は行われていません。エチレン酸化法は昭和電工(現レゾナック)で行われていましたが、現在は生産終了しています。なおエタノール法は実施事例はありません。





製法のうち発酵法のフローです。糖(グルコース)を原料にしてアセトアルデヒドを生成します。このアセトアルデヒドを原料に「酢酸菌」にて酢酸を生成します。
この製法で生成した酢酸は所謂「食酢」ですので、工業的には使用できません。

以上酢酸生産の製法別シェアを示します。パイ図に示したとおりメタノール酸化法が圧倒的なシェアを有しているのが現状です。リサイクル(回収)酢酸は主にテレフタル酸生産時に使用する反応溶媒からの回収によるものです。*その他の回収源としては酢酸アリル→アリルアルコール、ポリ酢酸ビニル→ポリビニルアルコールの生産時に副生します。
なお最後に日本の現状について。日本においてはメタノール生産は一切行われておらず全量輸入品です。酢酸生産はダイセル社の関連会社である協同酢酸社がメタノールを原料に酢酸生産を行っており日本市場に供給しています。

以上」


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