本稿ではTPEE(Thermoplastic Polyester elastomer)について言及していきます。TPEEの他にはCOPEという呼び方もあり。まずはTPEEの簡単な定義と構造式から。
TPEEはエラストマーのうちでもゴムやTPUと同様に化学構造からエラストマー性を発現する樹脂の一つであり、位置づけはエンジニアリングプラスチック的位置づけになります。
樹脂内にハードセグメント(PBT)とソフトセグメント(PTMEG)を有しています。


TPEEのエラストマー種類の内での物性比較表を示します。エラストマーのうち屈曲性が強いのはコンパウンド系以外に共通する特性ですが、とりわけTPEEは耐熱性が優れている点。この物性特性を活かした分野に需要が展開されています。

需要分野は以下のとおり。TPEEの需要先で圧倒的に大きい分野は自動車の駆動部の接合部分に使用されるCVJブーツと言われる分野です。もともとはクロロプレンゴムが使用されていましたが、クロロプレンゴムが塩素を含んでいる事、また塩素を含有していることで比重が大きいため、TPEEが軽量化ニーズに合わせて需要が拡大してきました。


以下最近のTPEEの世界需要推移です。最近は需要の頭打ち傾向にあります(自動車生産総台数が頭打ちを反映しています)。

自動車以外の用途例を下記の通りしめします。様々な用途展開が行われていますが、主に熱可塑性ポリウレタンの需要分野と競合しています。TPUに比してTPEEは非常に高価格帯にあるのも伸び悩みの理由と考えられます。


需要が10万トンを超える規模には達しましたが、参入会社は限られています。ダントツに一位の地位を維持しているのはセラニーズですが、本件はDuPontの事業を買収したことが背景にあります。
なお数年前に中国会社の事業参入の動きが起こりましたが、現状の生産の有無は確かではありません。本事業の一番の需要先であるCVJブーツは自動車会社の認証が無ければ採用されませんので、既存の認定会社のみの供給となっています。

最後にTPEEの合成法について特許より。一枚目はDuPontの製造法に基づく東レDuPont社特許より。二枚目は東洋紡社の特許より抽出してます。特許は20年以上前の出願特許ですので、実生産としては大きく進化しているものと推定されます。


以上」


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