本稿ではエンジニアリングプラスチックスの一つであるPBT樹脂(Poly Butylene Terephthalate)について述べて行く事にします。PBT樹脂の定義について石油化学工業協会よりまずは引用します。
ポリブチレンテレフタレート(polybutyrene terephthalate)略称PBTまたはPBTP テレフタル酸ジメチルと1,4-ブタンジオールを出発原料とするテレフタル酸ジメチル法(エステル交換反応)、あるいはテレフタル酸と1,4-ブタンジオールを出発原料とする直接重合法(直接エステル化法)によって得られるビスヒドロキシブチルテレフタレート(BHBT)の重縮合体。強靭で剛性が高く、熱的・電気的性質に優れた結晶性の熱可塑性飽和ポリエステル樹脂のひとつ。電気・電子部品に多用されている。固体。
構造式、外観(乳白色)、PBTの代表的使用例(コネクター)を示します。

製造方法は石油化学工業協会の説明文にあるとおり、「エステル化反応法」と「エステル交換法」の二つが存在します。以前はDMT法が主流でしたが、PBT樹脂の生産量の拡大とともにPTA法が主流となり現在生産の殆どはPTA法に転換されています。
理由としては①DMTコスト(入手が困難になってきている)、②エステル化法副生THFの処理問題解決(PTMEG向け等に販売拡大)等が考えられます。

上記図のとおり原料は1,4ブタンジオールとテレフタル酸の二つ。両物質のうちPBT向け需要はブタンジール需要において二番目の用途であり2割程度を占めます。一方テレフタル酸向けでは1%程(ただしPTAのその他需要では最大用途です)。

最後に需要推移について。2015年に大台の100万トンを超えて大型商品の仲間入りです。牽引役は電子電機分野向けと自動車の電化対応向けが中心です。
なお電気電子部品以外では、自動車のドアノブやワイパー。ニッチ領域では特殊なシュリンクラベルや歯ブラシの毛などが存在しています。
最後に、この分野にも中国勢の進出、事業拡大が顕著です。もともとの市場リーダーはBASF、Celanese(源流はDuPont)、SABIC、東レ、三菱ケミカル(三菱化学)などでした。ただし、現状はコスト競争力のある中国勢がニートレジンで攻勢を強めており、各社はコンパウンド事業の強化で事業の生き残りを図っていると思われます。



以上」

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