「エタン」

化学品原料

ナフサと並んで「エチレン」の原料として最大比率を占めるようになったエタンについて述べて行くことします。(*なお使用される原料総量としてはナフサ>エタンです)

毎度のことですが「エタン」の定義について石油化学工業協会の定義を引用します。

エタン(ethane)                                        C2H6パラフィン系炭化水素のひとつ。天然ガス、石油分解ガス等に含まれている。米国ではエチレンの主原料として用いられている。化学原料のほか、冷媒や燃料にも使用されている。気体。

さてエタンのサプライチェーンについて下記の通りポンチ絵にてまとめてみました。供給源はNGLについての投稿に示しましたが、天然ガス産出の際に随伴ガスであるNGLからの分離により生産されます。一方、エタン需要の約9割がエチレン製造のための水蒸気分解炉に投入されます。ただし日本においてはエチレン向け需要は存在しません(分解炉もエタン対応をしていません)。            ただし、日本の需要は、都市ガス分野で使用されています。主成分のメタンに対しカロリー(燃焼)UPのために約5%のエタンが混合されて供給されているのです。

次に主用途のエタン分解について述べていきます。エタン分解の定義をJOGMECの文書より引用します。生成物はナフサと異なり、エチレンのみとしています。下記にエタンを原料としたモデルを示します。モデルでは僅かにエチレン以外も発生しますが、それら生成物を分離・精製するには経済性が合わない為、実行ベースではエチレンのほかには、水素・メタンの取り出しに留まるものと考えられます。

エタン分解(ethane cracking)                                     エタン分解とは、天然ガスなどに含まれるエタン(C2H6)を約900℃の高温で熱分解し、プラスチックなどの基礎化学原料となるエチレン(C2H4)と水素(H2)を取り出す化学プロセスのことです。

 ナフサの項でも示しましたが、エチレン原料の比率が大きく変化しています。従来はナフサが原料の中心でしたが、中東におけるエチレン製造設備の増強と、加えて米国におけるシェール革命の進行によるエタン生産量の増加が米国におけるエタンを原料とするエチレン生産能力の増強が加わり大きく環境が変化しています。 

 最後に世界のエタン需要推移を示します。出展元のS&P Globalがエタン需要を重量換算にしてグラフ化。2025年の需要量は約1億1千万トン。今後もエチレン需要の続伸と、アメリカを中心としたエタン供給の増加により需要は伸びていく見込みとなっています。

 エタンの生産地と需要地の関係ですが、概ね生産地=需要地です。エタンは圧縮冷却しないと運搬できないこと。一方でLNGほど運搬量が大きくないため地産地消でないとエチレンの競争力が喪失してしまうからです。一方ナフサ分解炉で競争力を失った欧州ではエチレン設備維持のため、また、インドや中国ではエチレンを確保するためエタンを輸入してエチレン生産の拡大の動きをしています。

最後に似たもの用語定義についての一覧を再度掲載します。

  最後に追加「エタン」「エチレン」&「アセチレン」の簡易比較表です。

                                     以上」

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