「ポリスチレン」(PS & EPS)

ポリマー

スチレンモノマー需要の約6割近くを占める両分野のポリスチレンについて述べていくことにします。エチレン、プロピレン需要の7割前後を占めるポリエチレン、ポリプロピレン事業がクラッカー事業の命運を握っているのと同様にスチレンモノマーの事業を左右するのはこのポリスチレン事業の動向とも言えます。日本の各社が事業を縮小してきた背景は、輸出とポリスチレン市場の縮小が理由の一つです。

さていつもの通り石油化学工業協会の言葉の定義より

ポリスチレン(polystyrene)略称PS                              スチレンモノマーを重合して製造される熱可塑性樹脂。一般用(GP)、耐衝撃性(HI)、発泡(FS)及びスチレン系共重合樹脂(AS,ABS)がある。そのうちGP、HIはテレビ、冷蔵庫、VTR、ラジカセ等の電気・工業部品、容器、家庭用品、玩具等に使用される。固体。

もう一つは発泡スチレンの定義も下記の通り定義しています。

発泡ポリスチレン(foamed polystyrene)略称FSまたはEPS                   ポリスチレンの発泡体。①スチレンモノマーと発泡剤(ペンタン等)を原料として重合し製造する方法  ②ポリスチレンに発泡剤を含浸させて製造する方法がある。断熱保冷材、包装材料(トレイ、緩衝材等)、魚箱等に使用する。固体。

本件定義のところが立場、製品の形態により表現が異なる、または重複するので改めて述べて行きます。まずはスチレンモノマー事業者の立場からすると、ポリスチレン(PS)と発泡スチレン(EPS)を異なるものと扱います。

一方そのうち発泡スチレンは生産方法の違いとして上述のとおり①重合時に発泡させたPS(EPS)と、②PS樹脂を発泡させて成形するケース(PSP/XPS等)が存在します。統計上では①はスチレンモノマーの需要であり、②はPS樹脂の需要としてカウントされます。

さて今回はPSとEPSについて各々の市場を見て行く事とします。S&P Globalの資料より両分野向けのスチレンモノマーの需要推移のみをピックアップしました。残念ながら環境問題等の背景があり、今後も大きく需要が伸びる分野とは言えません。(なお両樹脂の需要量は、EPSのケースでは略SM=EPS、PS向けはPS=SM+αとなります)

つぎにPSとEPSの重合方法について述べていきます。PSの場合は①「GPPS」(ホモポリマー)と②「HIPS」(耐衝撃性PS/ポリブタジエンをグラフト重合させたPS)に分かれます。

もう一つのEPSの重合方法については以下のとおり。こちらはバルク重合法ではなく、バッチ式の懸濁重合法が主流です。重合時に発泡剤のガスを吹き込みながら発泡させたポリマーを生産します。

それぞれの方式で生産されたポリスチレン樹脂はそれぞれの特性を活かした加工品に成形されます。まずはポリスチレンの需要分野についてです。非常に成形しやすい樹脂ですので様々な生活周辺の製品に使用されています(逆の見方をすれば、捨て易い、壊れ易い)。このうち、最初に言及したPSの発泡製品例としては、食品トレイ、住宅断熱材、畳の芯材などがあります。

最後にEPSの需要先を紹介いたします。加工事例としては、魚箱、緩衝材(最近は廃材減少のために忌避されている分野)などの包装材分野。一番需要量大きい分野は建築土木分野になります。        成型方法は原料ビーズを加温することで更に発泡率を上げて膨張させます。また金型中で行うことでビーズが溶解して接着する事になるわけです。

                                 以上」

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