「酸化エチレン」

エチレン系モノマー

エチレンの最大需要先である酸化エチレン(EO)について述べて行こうと思います。いつもの通り石油化学工業協会のことばの定義から引用します。

エチレンオキサイド(ethylene oxide)略称EO                           エチレングリコール、界面活性剤等の原料であり、エチレンを酸化して製造される。酸化エチレンともいう。気体。

定義のとおりエチレン酸化反応により製造されますがエチレン需要の全体に占める比率は概ね15%程度で推移しています。                                      一般論ですが、エチレンプラントには必ずと言っていいほどポリエチレンプラントが隣接して立地していますが、それ以外の誘導品は最大の酸化エチレンでも必ずしも立地しているわけではありません。

酸化エチレンの製造法は現在、全てがエチレンの直接酸化法が採用されています。以前は酸化プロピレンと同様に塩素化法が実施されていますしたが、現在は全く稼働していません。

副反応として、エチレンの酸化反応により、二酸化炭素及び水が発生します。

さて次は需要面から見て行きます。過去の需要経緯と需要先のパイを示します。需要先がエチレングリコールが約7割であり、その他についても生活基盤に密着した用途であることより大きな成長は見込めませんが、経済成長レベルの市場が拡大していく事と考えられます。

日本の場合は最大需要先のエチレングリコール市場はすでに輸出依存であることより全く成長する事は見込めませんので、特殊化学品・機能化学品生産向けに酸化エチレン市場を拡大させることが求められていると言えます。

さて、本稿では酸化エチレンの二大用途市場のエチレングリコールと界面活性剤の基礎情報に言及します。本稿以外で更に詳細な情報を投稿するとともに、別の需要についても投稿していきます。

まずはエチレングリコールについて。本件も同様に石油化学工業協会の言葉の定義を引用します。

エチレングリコール(ethylene glycol)略称EG
ポリエステル繊維、PET樹脂、不凍液、不飽和ポリエステル樹脂等の原料。エチレンオキサイドを水和して製造される。液体。

定義にあるとおり酸化エチレンの約7割を占めますのでここでは酸化エチレン法エチレングリコールの製造フローを示します。酸化エチレンに対して大量の「水」を加えることで生成されますが、並行してジ体、トリ体が副生します。

EGの用途はポリエステル(PET)向けが中心になっています。近年はPET産業が著しく勃興期にあり、エチレングリコールに占めるPET向け比率は上昇傾向にあります。(*以前は75%程度でした)

次に界面活性剤向けについて述べて行きます。界面活性剤というと化学業界の関係者は普通に接する言葉ですが、一般的には知られていないことばです。汎用的な言い方は洗剤原料と言え換えていいかと思います。

界面活性剤は様々な分野で使用されており、家庭用洗剤を中心に工業用分野に広く使用されています。

界面活性剤には様々な構造物があり、全てに酸化エチレンが使用されているわけではありません。ただし推定ベースでは全界面活性剤のうち、約半分の数量がEthoxylatedと呼ばれる界面活性剤になっています。

最後にethoxylated 界面活性剤のタイプ別の市場推定を示します。圧倒的な比率を占めるのは高級アルコールをベースにした界面活性剤です。用途はノ二オン界面活性剤と呼ばれるもので衣料洗剤等を中心に配合されています。尚界面活性剤については別稿にて各論を述べて行きたいと思います。

界面活性剤向け酸化エチレンが約4百万トンに対して、酸化エチレン利用の界面活性剤は約9百万トンと推定します(正式資料がないのであくまで筆者の推定値になります)

                                     以上」

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