ポリマーであることには違いは無いのですが、所謂一般にいう「プラスチック」とは違う「高吸水性樹脂」(SAP)について述べて行きます。こちらは先ずは石油化学工業協会の言葉の定義から引用です。なお冒頭のイメージに着色した樹脂画像を引用していますが、SAPは着色していたら商品価値はなくなってしまう商品なのです。
高吸水性樹脂(super absorbent polymer)略称SAP 水と接触すると短時間に吸水、膨潤し、水全体をゲル化させる性質をもつ高分子。吸水力は数百倍、高いものになると千倍に達する。生理用品、紙オムツ等使い捨ての衛生用品に応用されているほか、土壌保水剤等の農業用途の開拓が進められている。固体。
イメージ図は以下のとおり。左より、SAPの吸水していない状態の画像。真ん中は最大用途である紙おむつ(樹脂を明快にするために青色で着色)。右端画像はポリマーの構造イメージで吸水前と吸水後の状態を分かりやすく表現しています。

別稿にて述べましたが、SAPはアクリル酸Naの重合物(ポリマー)であり、アクリル酸の最大用途です。アクリル酸需要の約3割を占める分野になっています。SAP中のNa分がSAPの三分の1を占める事からSAP向けに投入アクリル酸の1.5倍がSAP生産量になります。


SAPの構造と吸水機能について述べていきます。SAP構造の主鎖はアクリル酸Naですが、一部アクリル酸が重合されています。アクリル酸部分は架橋材と反応し網掛け構造を作ります。

さて、SAPの製造世界のアクリル酸需要はSAP市場の成長とともに成長してきましたが、昨今ではこの牽引役であったSAP市場が停滞してきています。下記グラフはSAP世界市場推移を示します(引用先は日本触媒社の2025年経営説明資料から引用しています)

SAP市場の構造は以下のとおり、需要の殆どが紙おむつ需要です。市場拡大のために赤ちゃん用おむつから、老人用おむつに展開しましたが、当初の予想よりは伸び悩みの状況にあります(老人・大人にはオムツ着用使用に抵抗感が依然大きいのが理由と考えられます)。また当初期待された中国におけるオムツ市場は急速な少子化進展により期待が大きく持てる状況にはありません。

最後に紙おむつ市場のバリューチェーンおよび、紙おむつの構造とコスト構造についての資料になります。興味深い点は始流のアクリル酸市場は各社参入の汎用化しているのに対し、SAPは世界でも5社にてほぼ世界市場が寡占化している状況にあります。またその先の紙おむつ市場は各社の参入が相次いでいるものの、5社で世界市場の3分の2が占められているという点であると思います。



以上」


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