プロピレン誘導品のうち、ポリプロピレンを除いた化成品誘導品としては一番の規模を誇る酸化プロピレンについて述べて行くこととします。まずは今回も石油化学工業協会の言葉の定義から引用します。
プロピレンオキサイド(propylene oxide)略称PO
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の原料。プロピレンと塩素を原料とする製法、プロピレンを過酢酸あるいはエチルベンゼンの過酸化物で直接酸化する製法等がある。酸化プロピレンともいう。液体。
プロピレン誘導品の位置づけとしては以下のとおり

歴史的に様々な製造法が検討され、実施に至っていますが、IHS(現S&P Global)が2020年に発表した酸化プロピレンの製造法別能力推移を示します。

酸化プロピレンの製造方法としては現在も主力の製造方法は塩素化法です。中国において市場の拡大とともに能力が増加してきましたが、中国でも課題・問題であった廃水・廃棄物の処理問題が甚大となり2024年に新規の塩素化法は禁止になりました。以下塩素化法フローです。

従来法の塩素化法の問題は欧米にて最初に顕在化して、代替の方法として①PO/TBA法が最初に広まりましたが、併産されるTBAの利用方法が米国においてMTBEのガソリン添加が禁止されるに至り、代わりの生産方法として②PO/SM法が広がることとなりました。


引き続き、酸化プロピレンの生産方法として経済性に優れる単産法の開発導入が進みました。HPPO法(過酸化水素法)はシェルとBASFの共同開発により、またクメン法が住友化学により開発され生産実施が進んでいます。


つぎに需要側を見ていきます。あわせて原料プロピレンと酸化プロピレンのバリューチェーンの図を示します。以下の通り、酸化プロピレンの約7割は酸化プロピレンを重合させることで出来るポリエーテルポリオール(別稿にて投稿します)。残りはプロピレングリコール(この点は酸化エチレンの7割がエチレングリコールが占めるのとは大きく違う点になります)、グリコールエーテルに誘導される事になります。


最後に世界の酸化プロピレンの需要推移をNexant資料より引用します。世界市場は約1,300トンほどまで拡大していますが、一方の足元の日本市場は35万トン前後と推定されており世界市場において存在感がないのが実態です。ただし、一方で自動車用シートや建築向け断熱材市場の存在は欠かす事の出来ない需要分野と言えます。

以上」

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