「EDC」「VCM」

エチレン系モノマー

エチレン誘導品の主用途である「EDC」(二塩化エチレン)とその殆どの誘導先である「VCM」(塩化ビニルモノマー)をセットで報告。いつものとおり石油化学工業協会の言葉の定義より両者の引用。

二塩化エチレン(ethylene dichloride)略称EDC                         塩化ビニルモノマーの原料をはじめ、溶剤、抽出剤等に使用される。エチレンと塩素を原料として製造される。液体。

塩化ビニルモノマー(vinyl chloride monomer)略称VCM                     塩化ビニル樹脂及び塩化ビニル系共重合樹脂の主原料。エチレンと塩素の反応によって得られる二塩化エチレン(EDC)の熱分解で製造される。液体。

分かりずらいお話ですがEDC/VCMの関係性を活かしたのが、石油化学事業の華であるオキソ塩素化法です。下記図のとおり、①でエチレンを塩素化して直接EDCを製造します。②においてEDCを脱塩酸しVCMを製造。③では②で発生した塩酸を使ってEDCを製造する一連の製造方法です。

話はもどって、まずはエチレン需要におけるEDC需要の位置づけとEDC製造フローを示します。EDCはエチレン需要のうちの三番目の需要規模を有する誘導品です。

EDC製造方法は下記のとおり。エチレンを塩素で直接塩素化する製造方法となります。

つぎはEDCの需要構造です。大半が脱塩酸することでVCMに転換されますが、一部はエチレンジアミンの原料や塩素系溶剤に誘導されています。

次はEDCの用途の殆どであるVCMの製造方法について述べて行きます。最初にEDCからのVCM製造方法についてです。EDCを脱塩酸することでVCMが生成します。

一方昨今では中国において塩ビ樹脂生産が増大してきていますが、中国においては豊富な石炭及び生石灰資源を背景にカーバイドを生産。カーバイドからアセチレンを生産してアセチレンからのVCM生産が盛んになっています。現在中国におけるアセチレン法VCMは国内生産の8割を占めるとされ2025年の生産量は1600~1700万トンにも及ぶと推定されています。

中国におけるアセチレン法VCM生産はエチレン及びVCM需給バランスに大きな影響を与えていますが、世界のVCMバランスは以下の通りと推定しました。いまや世界の3分の1のVCMがアセチレン法で製造されています。

なおVCMの99%は塩化ビニル樹脂に誘導されますが、ごく一部がPVDC(サラン樹脂)やPVDFなどに利用されています。

最後にVCM/PVCの今後の動向について。従来はEDC法によるVCM供給が殆どでしたが、中国がVCM市場参入するにあたりアセチレン法の比率が拡大中です。                                  一方今後は巨大なインド市場の展開が着目されています。現在インドでは国内生産でのEDC/VCM/PVC生産がいずれも追い付かず多量の輸入が行われています。インドにおいても生産の大型計画が進んでおり、世界全体のVCMバランスが変化が起きそうです。

                                         以上」

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