「SAF」「バイオナフサ」

燃料

温暖化排出ガス削減の方策の一つとして航空燃料のバイオ原料法のSAFや、石油化学原料のナフサのバイオ化原料生産拡大の方針が世界中で示されていますが、現状(2026年時点)では今後の拡大は非常に厳しい状況にあることは否定できません。

普及拡大が抑えられている要因としては、①コスト面(SAFもナフサも化石原料由来に比してコストは約3倍以上)、②品質面には基本的に課題なし。ただしSAFの場合は量が確保できても100%使用不可。それに本稿で述べて行きますが、③原料数量が全く確保できない。と言った要因が存在しています。

まずは回収油の原料となる油の需要は以下のとおり。2025年度で約2億6千万トンもの油脂が市場に投入されます(とはいえ、ジェット燃料及び化学用ナフサの総需要は約6億トンの規模があります)

バージン油脂は以下の通り消費されています。油脂の殆どは食品及び燃料として消化消費されて消えて行ってしまいます。

上記油脂が市場に消費・消化されている中で、SAF原料ナフサ原料として着目されている回収油UCO(used cooking oil)は2025年で約3,500万トンが回収されているといわれています。回収率は約15%となります。回収源は以下のとおり。外食産業、食品工業、それに家庭からの回収です。

次に回収油の需要先は以下のとおり。現状の半分以上は回収油を精製して、油脂分解を行いバイオディーゼルとして再利用されています。

昨今ではこのバイオディーゼル以外の用途としてSAFおよびバイオナフサに用途展開しようとする試みが流れになっています。

いずれにせよ、回収油の需要の拡大の要求はあるものの、Sold Outの状況にあると言えます。

最後にSAFおよびバイオナフサ製造と品質について述べて行きます。ナフサもSAFも製造方法は基本的に一緒です。回収油を熱分解・水素添加してパラフィンを生成します。ナフサとSAFの大きな違いは炭素数の違いです。

SAFの場合は成分に芳香族、ナフテン類を含まないので、カロリー不足が生じることから100%SAFでは飛行機を飛ばすことはできません。国際航空機関は2050年時点での100%SAF化を目指していましたが、そもそも根本的に物理的に経済的に、科学的にも不可能な目標だったのです。

つぎはバイオナフサについて。こちらの方は石油化学業界として目標を掲げている事ではないので進捗状況は遅々として進んでいない感がします。品質面では飛行機が飛ばない様に製造プラントが稼働しない話ではありませんが、パラフィンのみなので、生成されない製品も生じることもあります。

いずれにせよネットゼロとは縁遠い計画案件です。               以上」

コメント

タイトルとURLをコピーしました