エチレンもしくは酢酸の誘導品である「酢酸ビニル」についてのべていきます。いつものとおり石油化学工業協会のHPより定義を引用します。
酢酸ビニル(vinyl acetate)略称VAM
主用途はビニロンの原料であるポバール用だが、酢酸ビニルの重合物は塗料、接着剤等に使用される。またエチレンや塩ビモノマーとの共重合樹脂の原料となる。エチレンまたはアセチレンと酢酸により製造される。液体。
酢酸ビニルの原料側からみると、エチレンでの位置づけはほんのごく僅かで各エチレンプラントに酢ビプラントが存在するケースは例外的な事例です。ただし世界的にも例外な例としては現三菱ケミカル旭化成エチレン(旧三菱化学岡山)の水島工場が酢ビ向け比率が非常に高いプラントでユニークな存在です。

一方の酢酸側から見てみると、世界の酢酸の4割程度が酢酸ビニル向けとなっており重要な需要先の位置づけです(ただしエチレン異なり酢酸の運搬は容易な物質であることより酢酸プラントに隣接して酢ビプラントがあることは非常に稀です)。 酢酸についてはまた別稿にて投稿することと致します。

つぎに酢酸ビニルの製造フローについて述べて行きます。現在においてはエチレン法が主流となっていますが、従来はアセチレン法による製造が主流でした。安価なエチレンの入手が可能となりエチレン法に転換された歴史があります。一方で最近中国ではアセチレン法が拡大してきています。現在は約1割弱の酢ビがアセチレン法で生産されていると推察されます。


つぎに酢酸ビニルの需要を見ていくこととします。その需要の殆どはポリ酢酸ビニルとそのポリ酢酸ビニルを原料とするポリビニルアルコールとして消化されています。また別稿にて投稿いたしますが、ポリ酢酸ビニルもポリビニルアルコールも接着剤用途が中心に使用されています。 そのほかにはポリエチレンの一種としカウントされる「エチレン・酢酸ビニル樹脂」が伸びている状況にあります。

最後に需給の環境ですが、酢酸ビニルも他の製品と同様に中国での投資が進んでいます。とはいえ需要側は特に大きく変わる状況にはありませんので、需給環境の緩みが気になるところです。
以上」


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